重箱式巣箱

重箱式巣箱はとても単純な形状をしており、巣枠はありません。

重箱式巣箱の形状

重箱式巣箱の構造は、シンプルな形状の箱に、小さな入り口がついたものです。丸太をくり抜いた丸洞式巣箱の様に、ミツバチは自由に巣を作ります。次の動画は、巣箱に住みついて2週間後のニホンミツバチの様子です。

重箱式巣箱は、2から6段まで積み重ねます。分蜂を捕まえる段階では、2段あれば十分です。巣が大きくなるにつれて、箱を追加します。

bait-hive-structure

ハチミツの採取

重箱式巣箱には巣枠がありませんが、そのハチミツの採取方法は、丸洞式巣箱から改良されています。

最上段がハチミツでいっぱいになったときに、最上段を採ります。ハチミツの貯蔵部分の一部を失いますが、育児をする場所は破壊されないため、ニホンミツバチはその後も生活し続けることができます。

ハチミツの採取

ニホンミツバチのハチミツの採取方法をご紹介します。シンプルな方法ですが、スムーズにできるように工夫されています。詳しく紹介します。

ハチミツの採取

巣箱の寸法と作り方

重箱は、とてもシンプルな形状です。2本のワイヤーは、巣が落下しない様にするための、巣落ち防止棒と呼ばれるものです。

dimension of box

最上段の構造

最上段の重箱には、スノコ(内側のフタ)と、フタがついています。スノコは、ハチミツの採取をスムーズに行うために取り付けられます。

cross section of the top box

フタの寸法です。

lid of beehive

スノコの寸法です。

duckboard

巣門の構造

巣門は、重箱の構造と似ています。底板の上に置いた時に、巣門ができるようになっています。

entrance

巣門はオオスズメバチからニホンミツバチを守るために大変重要です。オオスズメバチはニホンミツバチの巣を襲い、幼虫やサナギ、ハチミツなど全てを奪う天敵です。

巣門はオオスズメバチが入れない様に、十分に小さくしておきます。オオスズメバチについて詳しくは、次のページを読んでください。

オオスズメバチ

秋になると、スズメバチがニホンミツバチの巣のまわりにやってくることが多くなります。スズメバチは肉食ですので、働き蜂を捕まえて連れ去ったり、殺したり、巣の中に侵入して幼虫を連れ去ったりします。

オオスズメバチ

重箱式巣箱の長所

重箱式巣箱には、特に趣味での飼育に多くの長所があります。

  • 巣箱製作に費用がかからない
  • 飼育に手間がかからない
  • スキルやノウハウがほとんど必要ない

野生のニホンミツバチが中で住み着いている状態なので、何ヶ月も巣箱を放置することもできます。

重箱式巣箱の短所

重箱式巣箱は群れを管理するという点では、制限が多い巣箱です。基本的な考え、飼育方法は、丸太をくり抜いて作る丸洞式巣箱と変わりません。野生のニホンミツバチに、巣を作る場所を提供するというものです。

重箱式巣箱はハチミツ採取の点では大きく改善されていますが、他の点では丸洞式巣箱と同じ様な制限があります。

重箱式巣箱では次の様なことはできません。

  • 分蜂のコントロール
  • 群れの分割
  • 群れの合同
  • 単花蜜の採取

また、巣枠式巣箱と違い、ハチミツを採る際に巣も一緒に採るため、ハチミツの採蜜量もやや劣ると考えられます。

巣枠式巣箱との比較

日本でも、巣枠式巣箱はセイヨウミツバチの飼育に広く用いられていますが、ニホンミツバチの飼育にはほとんど使われていません。

巣枠式巣箱はハチミツの生産性が高いと言われます。ただ、ニホンミツバチを飼育する上で、必ずしもそうとは限りません。

確かに、1つの巣箱から採れるハチミツの量は多くなるでしょう。ただ、巣箱あたりの生産性よりも、時間あたりの生産性がより重要です。

重箱式巣箱では、ハチミツの量は少なくなる可能性がありますが、作業時間と労力も少ないです。

重箱式巣箱で飼育する場合、必要になるのは次のものです。

  1. 巣箱を作る

  2. 春に巣箱を設置し、ニホンミツバチの入居を待つ

  3. 数回、巣箱を追加する

  4. ハチミツを採る

少ない場合、年間に5時間程度費やせば、5キログラムのハチミツが採れます。

一方で、巣枠式巣箱で飼育する場合は、巣箱を購入費用がかかりますし、作るとしても重箱式巣箱よりも複雑な形状のため時間がかかります。

巣箱の内検を定期的に行う必要があり、自宅以外に巣箱を設置した場合には大きな負担となります。

このように時間や費用をかけて、重箱式巣箱よりどのくらいハチミツが採れるのでしょうか? ニホンミツバチでは、1群から5キロから10キロ程度と、セイヨウミツバチと比べると5分の1から10分の1しかハチミツが採れません。

巣枠式巣箱を利用した場合のハチミツの採量の増加が、かけた時間や労力に見合うかはわかりません。

丸洞式巣箱との比較

丸洞式巣箱と重箱式巣箱は、野生のニホンミツバチに住処を提供する、自然な飼育方法という点で似ています。ただ、丸洞式巣箱が重箱式巣箱よりも優れている部分は少なく、多くの人が重箱式巣箱を選択しています。(丸洞式巣箱は木の空洞に似ているため、ニホンミツバチがより好むという意見もあります)。

丸洞式巣箱と、重箱式巣箱に共通する点は次の様なものがあります。

  • 巣箱内部の構造(巣枠がない単純な空間)
  • 巣箱製作コストの低さ
  • 群れの入手方法
  • 内検の方法
  • 群れの管理方法

大きな違いが、ハチミツ採取の方法です。

丸洞式巣箱では、ハチミツを採取するため、ミツバチを追い出し、巣を破壊する必要があります。

ミツバチは追い出され、幼虫やハチミツを秋に失います。これは、その後の厳しい冬に死が待っていることを意味します。

養蜂家も、毎年春に新しく群れを捕獲する必要があり、群れを増やすのは簡単ではありません。

重箱式巣箱の様に、ハチミツをためている部分以外は巣を壊さずに採蜜を行う養蜂家もいるそうですが、それには技術が必要です。

重箱式巣箱は趣味と副業に向いた巣箱

巣枠式巣箱は近代的な巣箱であり、重箱式巣箱よりも多くの優れた点があることは間違いありません。ただ、状況や養蜂の目的によっては、必ず巣枠式巣箱が一番とは言えません。

重箱式巣箱は、次の点で趣味の養蜂に向いています

  • 時間や手間がかからない
  • 習得が必要な技術が少なく、学習に時間がかからない
  • 初期費用が数万円以下

趣味での飼育の場合、10キログラムのハチミツが採れれば十分です。家族で食べたり、友達にあげて楽しむことができます。

ニホンミツバチの飼育には時間もかからないので、サラリーマンであったとしても家庭菜園や他の趣味を楽しむ時間もあります。

重箱式巣箱は副業にも適しています。田舎に住んでいれば、飼育場所に困ることはありません。重箱式巣箱はほとんど手間も掛からないので、自宅から少し離れた場所でも問題ありません。

ニホンミツバチのハチミツはセイヨウミツバチのハチミツよりも高価です。1キログラムが1万円ほどで売られています。

20群れ飼育して、100キログラムのハチミツが採取できれば、副業としては十分ではないでしょうか。しかも、時間もそれほどかけずに楽しむことができます。

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